電力架線金物メーカーの恒和工業(大阪市、田中久美子社長)は、薬用ボディーソープを自社で開発し、このほど販売をスタートさせた。工場の現場社員の臭いが気になるという女性社員の声を受けて、田中社長自ら開発を指揮。実際に使っている社員からの評判も上々という。
商品名は「洗男」(アラダン)。田中社長は「メンズオンリーだと思われがちなネーミングだが、子どもから高齢者まで男女問わずに使える」と自信をみせる。
シニア臭、汗臭、足臭、アンモニア臭などあらゆる臭いに有効な成分で厚生労働省が認めた「イソプロピルメチルフェノール」と「グリチルリチン酸ジカリウム」の2種類を配合。植物由来の保湿成分を加え、グリーンアップルの香りに仕上げた。鉱物油、シリコン、合成着色料、紫外線吸収剤は一切使っていない。
開発のきっかけは「現場社員の臭いが気になる」という女性社員の声。架線金物は製造工程で熱を使うため、空調をかけても工場内は暑くなりがち。営業社員も外出すれば汗だくになるし、人によっては加齢臭も気になる。仕事の原点である現場の「汗」や、個人の体臭が社内の気まずさの原因にならないよう、社長自ら開発を決めた。
実は田中社長も20年ほど前の主婦時代に、夫で前社長の加齢臭を何とかできないかと悩み、研究した経験を持つ。有効なボディーソープを見つけても値段が高く、ネット販売のみで入手しづらかったという。
開発にあたり協力を求めた老舗スキンケアメーカーから「電力に関係のある会社がなぜボディーソープを」と不思議がられたが、背景と目的を粘り強く説明して、タイアップにこぎつけた。
「老いも若きも元気に働いたその後は、『洗男』で心身ともにさっぱりとした時間を過ごしてほしい」と田中社長は話す。
500ミリリットルで1500円(税別)。同社ホームページでの購入が可能で、近くシャンプーも発売予定。
電気新聞2020年7月31日
◇洗男(アラダン)オンラインショップ
https://www.aradan.jp/
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