◆データセントリック・イノベーション・デイ

 ◇産業界に新製品紹介

デジタル・イノベーションの必要性を訴える鈴木社長
デジタル・イノベーションの必要性を訴える鈴木社長

 インテルは5月16日、4月に発表した新製品を一般企業に紹介するイベント「データセントリック・イノベーション・デイ」を都内で開催した。コスト削減や新ビジネス創出のために膨大なデータをどう活用するかは、あらゆる業界や企業に共通した課題。その解決にインテルの新技術が役立つことを、パートナー企業の製品やサービスとともに周知した。会場は300人を超える来場者でにぎわった。
 冒頭あいさつしたインテルの鈴木国正社長は「既存のビジネスは5年、10年と続かない」と警鐘を鳴らし、データを活用した新ビジネス創出を支援していく方針を示した。
 続いて米インテル・コーポレーションのデータセンター事業本部副社長を務めるジェニファー・ハフステットラー氏が、新製品を含む製品ポートフォリオを紹介した。データ社会を迎え、エッジからデータセンターまで、大量のデータを高速に処理できる環境が整ったことをアピールした。
 イベントではこのほか、最も成長率が高いワークロードであるAI推論を最適化し、AIの導入を簡便化するインテル・ディープラーニング・ブーストという新技術を紹介。パートナー企業によるインテル製品の活用事例も発表された。
 中国の平安保険はAIの進化について解説した。事故を起こした車両の年代や型式などを画像から特定し、調査員を現場に派遣しなくても損傷具合を判断できると説明。家畜を対象とする保険商品も扱っている同社は、豚の個体識別にもAIを活用しているという。
 閉会のあいさつに立ったインテルの張磊執行役員・インダストリー本部長は「産業界の皆さまと一緒にデジタル化の時代を乗り越えていきたい」と呼び掛け、パートナー企業と連携して課題解決に貢献していく考えを強調した。
 


 

◆製品ポートフォリオ

 ◇データ活用、環境整う

データ社会のインフラに注力

 インテルは集積回路の微細化を続けながら、より高速で高度な処理を行うプロセッサーを製造してきた。進化はいまだ続いている。AIのために最適化された新開発のCPU(中央演算処理装置)を使うと、AIが推論するスピードは2年前の14倍、画像認識や動画分析は3~4倍速くなる。
 さらに、5月の「データセントリック・イノベーション・デイ」で紹介した製品ポートフォリオは、データを高速に処理する用途だけにとどまらない。(1)データを素早く転送する(2)大量のデータを最適なコストで保存する――という領域もカバーする。より高速なデータ転送を実現するネットワーク製品や、これまでと同じスペース・同じコストでありながら、より大量のデータを保存できるメモリー・SSDストレージなどを市場投入した。
 これらの製品群は、インテルが提唱する「データセントリック(データ中心)の社会」を支えるための重要なインフラだ。現在、世界で分析されているデータはわずか2%にとどまるといわれており、残り98%に多くのビジネス価値が詰まっていることは間違いない。
 クラウド化やAIの活用、ネットワークの高速化を背景に、データ処理のニーズも飛躍的に伸びている。データの転送から保存、処理までカバーする技術を提供することで、データの可能性を引き出していく考えだ。
 


 

◆インテルエネルギーフォーラム2019

 ◇7月17日、ヒルトン東京お台場で

 国内最大規模のエネルギー関連イベントとなる「インテルエネルギーフォーラム2019」が7月17日、ヒルトン東京お台場(東京都港区)で開かれる。インテルがエネルギー業界に特化したカンファレンスを開催するのは今年で5回目となる。データを活用してコスト削減や新規事業創出をどう進めるか、業界の今後を展望する。事前登録制で、参加費は無料。
 インテルは電力業界とIT業界の橋渡し役を担い、このようなイベントを毎年7月に開催している。来場者数は年々増え、今回は約1500人の来場者を見込む。
 当日は東北、東京、中部、関西、四国、九州の電力6社とJERAの取り組みを紹介するランチセッションや、東京、中部、関西の経営幹部による講演が行われる。さらに「他業界から見た電力業界」「海外から見た日本の電力業界」という視点に立ち、マッコーリー・キャピタルやソニーコンピューターサイエンス研究所、村田製作所の講演も予定される。
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