洋上風力発電の導入拡大を促す再生可能エネルギー海域利用法について、経済産業省と国土交通省は30日、促進区域指定の前段となる「有望な区域」に4カ所を選定したと発表した。「一定の準備段階に進んでいる」とされた11カ所のうち、特に地元合意など環境が整っているとして、秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖(北側・南側)、千葉県銚子市沖、長崎県五島市沖の4カ所に絞り込んだ。自治体からの情報提供や第三者委員会の意見を踏まえた。

 今後、協議会の設置や国による風況・地質調査の準備を直ちに始める。これにより、促進区域の選定プロセスが本格的に回り出す。

 同法では国が基本方針を定め、毎年度促進区域の指定を行った上で、公募によって事業者を選定。一般海域の30年間の占用を担保する。経産省と国交省は、6月にまとめた促進区域指定の指針に基づき、都道府県からの情報提供を2~4月にかけて受け付け、精査を進めていた。

 4カ所については、今後、自治体の首長や漁業関係者らを交えた協議会を設置。国は風況や水深、波高など自然条件の適切性を見極めるための調査準備に着手する。両者を並行して進め、促進区域への指定が妥当かを検証する。

 一定の準備段階に進んでいるとされた7カ所は次の通り。

 ▽青森県沖日本海・北側▽同・南側▽青森県陸奥湾▽秋田県八峰町・能代市沖▽秋田県潟上市沖▽新潟県村上市・胎内市沖▽長崎県西海市江島沖

電気新聞2019年7月31日