広域機関は容量市場への事業者登録手続きに関する説明会を5日から都内で始めた
広域機関は容量市場への事業者登録手続きに関する説明会を5日から都内で始めた

 容量市場と需給調整市場の開設に向けた準備が着々と進んでいる。容量市場は7月に初の入札を行い、4年後の2024年度に必要な供給力を確保する。市場を管理する電力広域的運営推進機関(広域機関)は、3月2日から応札事業者の登録を受け付ける。2月から5月頃まで登録手順の説明会を繰り返し開き、理解に努める。安価な調整力から広域的に調達・運用する需給調整市場は、市場運営者の一般送配電事業者10者が、4月1日から調整力を取引したい発電事業者などの登録を受け付ける。1年後の21年4月に開設する。

 容量市場に供給力を応札する発電事業者やDR(デマンドレスポンス)事業者は、3月から5月にかけて、事業者情報や供給力情報をシステムに順々に登録する必要がある。広域機関は2月5日、登録手続きに関する初回の説明会を都内で開いた。
 
 ◇初入札7月初旬
 
 説明会では以前から事業者の質問が多かった、落札供給力が守るべき事項や未達時の罰則制度も解説した。「説明会はたくさん開いて理解促進に努めたい」と広域機関の担当者は話す。供給力の費用を払う小売電気事業者向けには、昨年から市場の開設目的に関する説明会を繰り返し開いてきた。

 初入札の期間は7月1~7日で、供給力の落札価格と落札量は8月末までに公表される。広域機関は3月末に示す最新の供給計画や経済指標を用い、初入札までに、供給力の新設に必要な1キロワット当たりの支払額を「指標価格」として示す(現状の指標に基づく試算は9444円)。電源投資の予見性を見極める観点からも、落札価格がどのような水準になるかが最大の焦点だ。
 
 ◇調整力広域運用
 
 21年4月に開設する需給調整市場は、主に再生可能エネルギーの出力予測誤差を解消する調整力「3次調整力(2)」から、エリアを越えた広域調達と広域運用を始める。その後、より高速な調整力を対象に加える。一般送配電事業者は4月1日から、この「3次調整力(2)」を応札する発電事業者などの登録を受け付ける。新規参入者の調整力と一般送配電事業者のシステムを接続するための工事や、調整力の性能審査も市場開設までに行う。

 需給調整市場の開設に先行して、20年度からは中部、北陸、関西エリア間で3次調整力相当の調整力の広域運用を始める。現在は中部、関西エリアの実系統を使って試験的に運用しているところだ。

電気新聞2020年2月6日