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総合・原子力

[記者ノート]「日常」支えることの重み

2018/09/25 2面 

 先日、北海道胆振東部地震の被災地を取材した。現地で見た光景は、まさに“非日常”。点灯していない信号標識や数百メートルにも及ぶ長蛇の列のガソリンスタンドなど、様々な光景が目に焼きついた。多くのコンビニエンスストアの明かりが消えて休業している様子は、年中無休・24時間営業が当然のこととして頭の中にあるだけに、特に衝撃を受けた。
 避難所となった町立厚真中学校。非日常の象徴のようなこの場所には、親子連れや高齢の夫婦など多くの人が疲れた様子で避難していた。その被災者たちから聞こえてきたのは、揺れのすさまじさや住宅の惨状を語る声。「夜が暗闇というのは不安でならない」「テレビが映らないので、情報がなかなか得られない」といった停電による不安や不便さを訴える声も目立った。
 現地を訪れた7日午前には、北海道電力の社員や東北電力の応援部隊が駆け付け、連携しながら迅速に高圧発電機車を接続。応急送電を開始した。電気が戻ったことで、避難所では照明だけでなく送風機なども稼働を再開。被災者が少しでも通常に近い生活を送れるような環境に向けて、一歩前進した。
 その取材の中で印象的だったのは、厚真中の校長から聞いた言葉だ。「校内のチャイムが鳴り、電気が復旧したことに気がついた。なじみのある音が聞こえてきたことで、少しでも日常が戻ってきた感じがしてホッとした」。電気がいかに“日常”を支えているか、あらためて気付かされた出来事だった。
 そして、一連の取材で電力社員から感じたのは日常を失わせてしまった悔しさ。日常を早く取り戻そうと、奮闘する姿が強く記憶に残っている。
 普段よく聞く“安定供給”という言葉の中には、人々の日常を支えることの重みが詰め込まれている。その事実をあらためて胸に刻む機会だった。



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