北陸電気保安協会(須河元信理事長)は22日、三菱電機子会社でエンジニアリングやメンテナンス業務を手掛ける三菱電機システムサービス(東京都世田谷区、山本雅之社長)と業務提携したと発表した。両者の顧客に対し、電気設備の保安から修理・交換までのサービスを一貫して提供できる体制を構築。北陸保安協は保安分野にとどまらず、顧客設備の施工や修理といった領域へ事業を拡大する。
同日、須河理事長と三菱電機システムサービスの八尾尚志取締役・中部支社長が協定の締結式を行った。
提携する範囲は工場やビルの電気機器全般に関する設置、販売、修理、保守、試験といった業務。知識と技術を相互に提供し、研究開発やBCP(事業継続計画)策定に関する業務も含む。北陸保安協が進める総合防災サービスの非常用発電機と蓄電池も三菱電機システムサービスが供給する。
これまで北陸保安協は顧客の電気機器で交換や修理が必要な場合は報告するだけだった。顧客が自らの判断でメーカーや施工会社に修理などを依頼していた。
今回の提携で、北陸保安協は三菱電機システムサービスのエンジニアと連携して、電気機器の更新や修理といった施工面のサービスも提供できるようになる。三菱電機システムサービスの顧客に対しても、保守や試験などを北陸保安協が請け負う形になる。北陸保安協が契約する顧客の半数以上は工場を持つ産業分野の需要家。提携することで、両者がともに事業を拡大できる効果があるとみられる。
三菱電機システムサービスは非常用電源のほか、照明、空調、太陽光発電、受変電設備、計装・制御など幅広く電気機器の保守・修理を手掛ける。多くのエンジニアを抱えており、北陸地域をカバーするほか他メーカーの部品の調達や修理も可能だ。北陸保安協は高圧需要家を多く抱え、試験業務などの専門知識を持つ。双方にメリットがあるとして提携に至った。
両者は提携することで、防災面だけでなく脱炭素化も見据えた顧客設備の多様化や高度化に対応するソリューションサービスを展開していく考えだ。
電気新聞2021年12月23日
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