2020年度の冬、電力需給は危機的状況に陥った。20年12月からの断続的な寒波で需要が急増。電源トラブルも重なってLNGの消費ペースが加速し、火力の出力抑制が相次いだ。LNGは長期間ためられない上に、スポットでも調達に約2カ月はかかる。需給バランスの崩れた状態は1カ月以上にわたって続いた。
卸電力市場の発する価格シグナルは日に日に強まった。少ない売り札を巡って買い手の競り合いが過熱し、1月中旬にはスポット市場の最高値250円をつけた。経産省の打った制度的対策は、市場価格を押さえ込むことだった。それまで500円超だったインバランス料金単価の上限を200円に引き下げ、買い入札価格の沈静化を狙った。これが需給に何の影響も及ぼさないことは言うまでもない。危機を乗り切ったのは、気温上昇や燃料の搬入、電源の運転再開などが要因だ。
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