講演「シーメンスにおけるデジタルサービス」

2017/08/30

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◇開かれた分析基盤提供

 シーメンス パワージェネレーション・サービス事業本部副本部長
 一尾 泰啓氏

 我々はデータを価値に変えるデジタルサービスで3つのノウハウを持つ。設計や製造など発電機器の「ドメインノウハウ」、発電所の運用・保守などの「コンテキストノウハウ」、データ分析などの「分析ノウハウ」だ。

 このうち分析ノウハウは、我々のクラウドデータプラットフォーム「MindSphere」(マインドスフィア)を通じても提供される。マインドスフィアではIBMのAI「ワトソン」の採用も決まっている。

 マインドスフィアは高いオープン性が特徴で、シーメンス以外の事業者の製品も接続可能。シーメンスの製品であれば、設定作業などが不要な「プラグ&プレイ」を実現できる。

 シーメンスは現在、マインドスフィア上で稼働するアプリケーションを多数開発している。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を公開しており、他事業者もマインドスフィア向けアプリケーションを開発可能。我々と共同開発する選択肢もある。アプリケーションの料金は、使った分だけ払う「ペイ・パー・ユース」だ。

 我々が展開するデジタルサービスとしては、遠隔監視サービスがある。遠隔地にある発電所や渡航制限がかかっている地域の発電所に対し我々の専門家がオンラインで定期検査サービスを提供する。

 また、異なる通信システムを採用する複数の発電ユニットのデータを一元管理できる「パフォーマンス監視」、複数の発電所のデータを共有、常時監視して各発電所の可用性を高められる「設備診断」、電力需要・価格の予測を基に発電コストや燃料購入契約の形態などを踏まえて各発電所の運用を最適化できる「オペレーション最適化」も用意している。

 シーメンスはお客さまに信頼して頂けるパートナーになり得ると自負している。

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