エネルギー教育支援事業・対象校が決定しました

 電気新聞(日本電気協会新聞部)が主催する「2022年度エネルギー教育支援事業」の支援対象校に、小学校、中学校、高校・高等専門学校合わせて16校が決まりました。特別協力の日本エネルギー環境教育学会が設置した選考委員会(委員長=安藤雅之・常葉大学副学長、日本エネルギー環境教育学会副会長)で、公募に応じた計27校の学習計画を審議し、選定しました。22年度の活動費として、電気新聞から各校に15万円を助成します。

 電気新聞は06年度から14回にわたり「エネルギー教育賞」を実施し、エネルギーに関して特色ある学習活動を展開し成果を上げた延べ315の学校を表彰してきました。「エネルギー教育支援事業」は同賞の後継事業で、意欲ある学校現場に活動費を助成することにより、エネルギー教育の裾野を広げるのが狙いです。公募は毎年行う計画です。

 第1回となる22年度支援事業には、小学校9校、中学校9校、高校・高専9校の計27校が応募。11月28日、都内で開いた選考委員会で、小学校6校、中学校5校、高校・高専5校を支援対象に選びました。

 安藤委員長のほかの選考委員は次の通り。(敬称略)
 ▽石川直彦(元練馬区立関町小学校教諭、日本エネルギー環境教育学会理事)▽今村哲史(山形大学学術研究院教授、日本エネルギー環境教育学会理事)▽森山正樹(札幌市立白石中学校教諭、日本エネルギー環境教育学会理事)▽梅村英夫(日本電気協会総括主事)

 「2022年度エネルギー教育支援事業」の選考では、5人の選考委員が27校の応募書類について、(1)活動の目的や教育上の位置づけ(2)希望する支援内容・予算(3)期待する学習成果(4)23年度以降の活動の方向性(5)脱炭素社会について学ぶ機会となっているか――を基準に採点しました。採点結果を基に、11月28日開いた選考委員会で活発に意見を交わし、支援対象校16校を選定しました。

 支援対象校および各校の計画の特徴は次の通りです。

 【小学校】
▽釧路市立湖畔小学校(北海道)
 全国唯一の坑内掘り炭鉱「釧路コールマイン」に着目した体験学習
▽大仙市立西仙北小学校(秋田県)
 「大仙仙北理科研究発表会」への参加、東北電力能代火力発電所の見学
▽長岡京市立長岡第四小学校(京都府)
 総合的な学習の時間の中で「環境とエネルギー」について探求
▽八尾市立曙川小学校(大阪府)
 太陽光発電を導入したビオトープをエネルギー環境教育に活用
▽三豊市立下高瀬小学校(香川県)
 各種発電方法の簡易実験、児童の発想を生かした校内省エネルギー活動
▽大牟田市立明治小学校(福岡県)
 6年間を通して系統的に学習、6年生の重点単元は「エネルギーの町・大牟田」

 【中学校】
▽札幌市立白石中学校(北海道)
 気温・湿度・気圧センサーによる観測や「雲のでき方モデル実験」を通じて気象の基本的概念を習得
▽川崎市立枡形中学校(神奈川県)
 エネルギー環境教育の開始から20周年を迎え、企業の協力によるワークショップを全学年で実施
▽京都市立大淀中学校(京都府)
 社会科・理科・技術家庭科を関連させながら4つの課題(エネルギー安定供給、地球温暖化、多様なエネルギー源とその特徴、省エネ)について考える力を育てる
▽加古川市立加古川中学校(兵庫県)
 理科・社会科を中心にSDGsの視点からエネルギー環境教育を実施、施設見学を行う
▽三豊市立豊中中学校(香川県)
 技術・家庭科を中心にエネルギー資源や発電の仕組みについて学習し、「植物工場」「燃料電池車」キットも活用

 【高校・高専】
▽一関工業高等専門学校(岩手県)
 分解組み立て型電気自動車教材を活用し、地域連携による学生主体のアクティブラーニングを実践
▽岩手県立一関工業高等学校(岩手県)
 企業から講師を招く「地域産業講座」、エネルギー・環境に関する小中学校への出前授業の実践
▽筑波大学附属聴覚特別支援学校(千葉県)
 高等部普通科2年生の理科科目「科学と人間生活」で、エネルギーに関する教材を開発
▽和歌山工業高等専門学校(和歌山県)
 メタンハイドレートを題材として実験やフィールドワーク、科学技術フェアへの出展を行う
▽愛媛県立三崎高等学校(愛媛県)
 地域の発電施設見学、発電方法をめぐる生徒討論会、有識者による講演会と意見交換を実施