会場となる人工島「夢洲」完成イメージ(出典:ビッド・ドシエ<立候補申請文書>=経済産業省作成)
会場となる人工島「夢洲」完成イメージ(出典:ビッド・ドシエ<立候補申請文書>=経済産業省作成)

 1970年、「人類の進歩と調和」をテーマに大阪で開催された国際博覧会(万博)からほぼ半世紀。今、2025年万博の日本開催を目指し、大阪・関西への誘致活動が熱を帯びている。関西経済界も地元の機運を高めようと、さまざまな活動を行っている。日本が目指す万博の概要とともに、2025日本万国博覧会誘致委員会などの取り組みを紹介する。
 

テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。コンセプトは「未来社会の実験場」

 
万博誘致ロゴ 日本が誘致を目指している2025年万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」~Designing Future Society for Our Lives~。サブテーマとしては、「多様で心身ともに健康な生き方」「持続可能な社会・経済システム」を掲げる。また、コンセプトは、未来社会の実験場「People’s Living Lab」とした。開催を通じ、国連が決めた持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた取り組みを促すとともに、先端技術や新たな事業を創造する機会にもしたい方針だ。

 開催期間は2025年5月3日~11月3日。入場者数の想定は約2800万~3000万人。

 会場は大阪市の夢洲(ゆめしま)。人工島として敷地面積は約155ヘクタール。その中に5つの大広場や水上施設も設置する。パビリオンを分散配置する「非中心」の概念も採用。会場内には来場者の交流を促す大広間「空」と呼ぶ部分を設け、水辺には宿泊施設なども確保する。

 市内中心部から海岸部へ約10キロの位置にある。交通アクセスも車で大阪駅から30分、関西国際空港から60分以内にある。
 

ライバルはフランス、ロシア、アゼルバイジャン。11月の総会で決定へ

 
 日本と競合するのは、フランス、ロシア、アゼルバイジャン。博覧会国際事務局(BIE)でのプレゼンテーションなどを通じ、誘致合戦は活発化している。

 今後、BIEによる現地視察が行われるため、誘致に向けたボルテージは一層高まる。6月の総会を経て、11月の総会で最終プレゼンテーションを実施し、その後に加盟国による投票が行われる。いかに支持を集められるか、そのための交渉や、前提となる地元の熱意も重要な判断要素になりそうだ。

 

関電は本店ビル(写真右)頂上部のライトアップで誘致の機運盛り上げ
関電は本店ビル(写真右)頂上部のライトアップで誘致の機運盛り上げ

 

関電ビルもライトアップで機運盛り上げ

 
 関西電力は、2025年の大阪・関西への万博誘致のため、関電ビルディング(本店ビル)頂上部の「Liv―Lit」(リブリット)で、万博誘致ロゴマークの5色によるライトアップを行い、機運を盛り上げている。オフィシャルパートナーとして誘致活動の柱の一つとして実施。昨年12月13日から本格的に開始した。赤、オレンジ、緑、青、紫を縦に帯状に配列し、横へスクロールする方法などで点灯している。
 

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