様々な企業の若手社員が参加して柔軟な発想やアイデアを競い合った「2025未来社会デザイン会議」
様々な企業の若手社員が参加して柔軟な発想やアイデアを競い合った「2025未来社会デザイン会議」

 

若手社会人が持続可能な開発へ、発想競うプレゼンコンテスト

 
 2025年万博の大阪・関西への招致に向け、国内の機運を盛り上げる一環として、様々な企業で働く若手社員らが参加したイベント「2025未来社会デザイン会議」が開催された。2025日本万国博覧会誘致委員会の取り組みの一つで、国連サミットで決めた持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、自社技術の活用や新事業の創出を図るなど、柔軟な発想やアイデアを競い合うものだ。

 SDGsは、2030年までに「『誰一人取り残さない』持続可能で多様性と包括性のある社会」を実現するため、貧困の撲滅や健康・福祉の向上、教育、持続可能なエネルギーなど、具体的な目標を示している。そのための課題を克服するには若い社会人の活躍が欠かせない。このイベントを企画することで、「人類社会の課題解決の場」を理念とする万博を日本で開催する意義などについて、国内外にアピールしようというのが狙いだ。

 2017年11月、23社から約100人が参加し、検討を開始。参加者は企画検討の準備段階のオリエンテーションで、万博開催の意義、日本、フィンランド、タイのSDGsに対する考え方や実践例などについて説明を受け、その後、各企業を代表したチームごとに、SDGsを踏まえ企画を練った。さらに、異なる考え方も活発に取り入れて意見交換するワールド・カフェ方式で、「SDGsの実現に向け、日本企業が牽引できるイノベーションは何か」をテーマに議論。終盤には途中段階ながら企画内容を発表した。

 12月18日には各チームが最終プレゼンテーションを行い、その成果を広くアピール。日本が得意とする先進的な技術やノウハウを使い、国や関係機関、他社とも連携しながら、少子高齢化やエネルギー・環境問題など世界規模の課題解決につなげる企画などが注目された。審査の結果、2025未来社会デザイン賞に三菱商事、日本経済団体連合会賞に日本IBM、関西経済連合会賞に田辺三菱製薬が選ばれた。

 

関係者らが誘致実現に向けて気勢を上げた(18日、東京・大手町)
関係者らが誘致実現に向けて気勢を上げた(18日、東京・大手町)

 

大阪・関西開催へ一丸、2025日本万博誘致委が都内で決起集会

 
 2025日本万国博覧会誘致委員会は2017年12月18日、大阪・関西の万博実現に向けた決起集会を都内で開催した。誘致の機運を一段と高めようと約400人が参加。開会あいさつした榊原定征会長(経団連会長)は、「我が国が描く未来社会を大阪・関西の万博の場で世界に示したい。絶好の機会だ」と強調。若い世代とともに「日本の将来に対する夢や希望、自信が持てる場にしたい」と述べ、誘致を勝ち取る決意を示した。

 決起集会には、万博実現を目指す国会議員連盟会長の二階俊博・自民党幹事長をはじめ議員や政府関係者、経団連、関西経済連合会などのほか大阪市長の吉村洋文副会長らが出席。万博誘致特使のコシノジュンコ氏らを招き、吉本興業の西川きよし氏らも駆け付けた。

 あいさつした二階幹事長は「ただ誘致できたというのではなく、成功したと評価を頂くように頑張らなくてはいけない」と述べた。吉村副会長は大阪・関西だけでなく、「日本国内の機運醸成をしっかりやっていかなければいけない」と指摘し、メディアを通じたPRにも期待を示した。

 松本正義会長代行(関西経済連合会会長)は、より積極的な誘致活動を目指して「政府、自治体、経済界がナショナルイベントとして一体となって取り組んでいきたい」と強調。組織的に体制を強化し、必勝の覚悟で臨む姿勢を見せた。

 また尾崎裕副会長(大阪商工会議所会頭)が「2025年の万博誘致を実現するぞ」と呼び掛けて参加者全員で唱和し、拳を突き上げて士気を高めた。

 
電気新聞2017年12月20日、2018年1月5日の記事から再構成

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