日に前橋市役所で開いた発表会(左から水口総支社長、小川市長、芝社長、山田CEO)

◆撮影画像で設備診断

 東京電力パワーグリッド(PG)と前橋市は4日、電柱を非代替性トークン(NFT)として価値化するゲームの提供を4月13日に開始すると発表した。前橋市の5カ所で6月下旬まで実証する。約1万5千本の電柱を撮影対象とし、その電柱をつないだ距離をチームで競い合う。プレーヤーはギフト券や暗号資産を報酬として取得できるほか、撮影した画像が設備の診断に使われ、電力インフラの維持に貢献できる。

 電力会社が電柱を使ったNFTゲームを提供するのは初めて。「Pictree(ピクトレ)」の名称で提供する。実証は「上・下川淵エリア」で4月13~28日、「本庁エリア」で5月4~17日、「宮城エリア」で5月18~31日、「赤城エリア」で6月1~14日、「富士見エリア」で6月15~29日に実施する。基本部分は無料。それぞれの期間で100人以上の参加を目指す。

 4日の定例会見でピクトレの取り組みを発表した小川晶市長は「地域イベントと連携したツアーを企画してもらい、本市への誘客や観光振興など地域活性化にもつなげていきたい」と述べた。

 ピクトレはグリーンウェイ・グリッド・グローバル(GGG、シンガポール、社長=芝和彦・東電PG取締役・常務執行役員)、デジタル・エンターテインメント・アセット(DEA、シンガポール、共同CEO=吉田直人氏、山田耕三氏)と共同で取り組む。

 4日の会見に出席したGGGの芝社長は「インフラに新たな価値を創造することを目指す。世界が変わる取り組みに注目してほしい」と述べた。

 東電PGの水口明希・群馬総支社長は「ゲームをしながら街を散策し、電柱を身近に感じてもらえるとありがたい」と語った。DEAの山田氏は「遊ぶことが報酬を生み、社会を良くするという夢の世界の実現へ大きな一歩だ」と期待を示した。

電気新聞2024年3月5日