ディー・エヌ・エー(DeNA)は30日、中古バッテリーを使った安い電気自動車(EV)を企業に導入し、カーシェアリングを通じて維持費の削減にもつなげる実証実験を10月3日に始めると発表した。東京電力パワーグリッド(PG)と協力し、バッテリー管理のノウハウを得るとともに、東電PGの東京都江東区の駐車場にあるEVを使って近隣住民向けにカーシェアの実証を行う。将来的には企業向けソリューションとして展開する。

 バッテリーの劣化状態がそれぞれ違う「リユースEV」は、個別の情報をクラウド上で集約・管理し、データベースを構築する。その上で、利用環境や用途の情報から人工知能(AI)が劣化を推定し、使用者にマッチした車を選び出す。

 バッテリー残量や航続距離などもリアルタイムで可視化されているため、バッテリーを再生した「リボーンEV」も安心して使うことができる。充電器や給電器などの情報も集約する。

 企業のEV導入機運は高まっているが、導入コストの点から普及は進んでいない。中古バッテリーを使ったEVは廉価だが、性能への不安があった。企業向けソリューションとして提供することで、そうした課題を解消する。企業がEVを使わない休日には、近隣住民とカーシェアをすることで、維持費の削減にもつなげる。

 DeNAとSOMPOホールディングスの合弁会社「DeNA SOMPO Mobility」(東京都渋谷区、中島宏社長)も参加する。同社はカーシェアサービス「Anyca」を展開している。

電気新聞2020年10月1日