連携協定の意義について話す林市長

 横浜市とe―Mobility Power(イーモビリティパワー、東京都港区、四ツ柳尚子社長)は3月17日、「横浜市内のEV普及促進に向けた連携協定」を締結した。イーモビリティパワーは東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が昨年10月に共同設立した会社で、同社が自治体と協定を結ぶのは初めて。同日、林文子・横浜市長の定例記者会見で発表した。横浜市内で電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)に乗りやすい環境整備、充電インフラ拡大に資する新たな仕組みづくりに積極的に取り組む。

 市内では現在、約800基(急速・普通充電器合計)の充電器が設置されている。協定では、空白エリアへの新設や充電渋滞発生箇所への増設、モデル地区(港北区、青葉区)での集中設置を実施。2030年までに約3千基(同)まで増やす。充電器は小売店舗や飲食店、公共施設などへの設置を見込む。

 また、両者が連携し集合住宅や公有地などへの設置に向け、新基準策定、規制緩和などに取り組む。この他、地域防災拠点や観光地には防災機能やデジタルサイネージ(電子看板)機能が付いた充電器を設置し、地域の防災力向上や活性化に生かす。

 林市長はイーモビリティパワーとの連携について、「東電HDと中部電力が出資しており、電力事業に強い」と利点を強調。「充電インフラの加速が期待でき、EV普及に弾みがつくのでは」と述べた。

 横浜市は「Zero Carbon Yokohama」を掲げ、50年までの脱炭素化を目指している。横浜市は自家用乗用車数が多いことから、EV化ポテンシャルが高いと試算。市内の充電インフラを重点的・優先的に整備することで、EVの普及加速に向けた環境を整備したい考えだ。

電気新聞2020年3月18日