中部電力、トヨタ自動車、豊田通商は3日、再生可能エネルギー発電事業を推進する有限責任事業組合の「トヨタグリーンエナジー」を7月をめどに共同で設立すると発表した。各社の出資額は非公表だが、トヨタ50%、中部電力40%、豊通10%の割合で出資する。代表者はトヨタから出す。事業組合は太陽光など国内の再生可能エネ電源の取得、運営を行い、将来的にトヨタグループの事業所などへの電力供給を目指す。

 事業組合の設立時期を7月としたのは、トヨタが定時株主総会で再生可能エネ事業の推進に関わる定款変更を行う必要があるため。

 事業開始後、事業組合は既設の太陽光や風力などの電源を獲得する計画で、特別目的会社(SPC)を取得する形を想定している。特に、トヨタグループによる電力需要が集中する中部圏に立地する電源を主な取得対象とする。トヨタは事業組合の代表として、全体の取りまとめのほか、投資方針案の作成を実施する。中部電力はコスト低減やSPCの経営管理といった運営に関する技術的サポートを行う。豊通は発電所取得の実務などを手掛ける。

 トヨタは事業組合の設立を通じて、自動車の環境負荷をゼロに近づけるため、2015年に策定した「トヨタ環境チャレンジ2050」の取り組みを一層加速させる。

 一方、中部電力は昨年、再生可能エネの新たな開発目標として「30年頃に200万キロワット以上の新規開発」を掲げており、19~23年度には再生可能エネ分野に1千億円以上の戦略的投資を行う計画。トヨタグリーンエナジーを通じて取得した再生可能エネ電源の持ち分は、200万キロワットの目標の中に組み込まれる。

電気新聞2020年4月6日