再生可能エネルギーを利用する世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」(福島県浪江町)が7日、開所した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業で、毎時1200ノルマル立方メートルの水素を製造する。開所式には安倍晋三首相や内堀雅雄福島県知事ら関係者が参加し、水素社会構築を担う新拠点の開所を祝った。
拠点には2万キロワットの太陽光発電設備や、1万キロワットの電力で水分解する水素製造設備などを配置。製造した水素は、東京五輪・パラリンピックの聖火リレートーチや聖火台、燃料電池車(FCV)の燃料などに使用される。
開所式であいさつした安倍首相は「水素社会の新たな一ページ。福島県が水素のイノベーション拠点となる」と述べた。東北電力の原田宏哉社長や東芝の綱川智社長も出席。綱川社長は「この拠点は再生可能エネの導入拡大を見据えた需給の調整役になる。新事業モデルの確立を目指す」と意気込んだ。
電気新聞2020年3月9日