ctcの「げんきのまど」活動
子どもたちに楽しんでもらおうと「でんきの科学館」からライブ中継した

             

 中部電力が出資する中部テレコミュニケーション(ctc、名古屋市、宮倉康彰社長)は、通信事業者としての強みを生かし、入院中の子どもたちに「元気を届ける」取り組みを展開している。「げんきのまど」と題した活動で、病院の一室に大型モニターを設置。外出できない子どもたちに向けて博物館や水族館などの映像を生中継している。

 ctcはげんきのまどを2014年に開始。愛知、静岡、三重、長野各県の4病院に続く5カ所目として、昨年12月17日に岐阜県総合医療センター(岐阜市)へ導入した。当日午前11時頃、会場には約10人の子どもたちが集まり、「でんきの科学館」(名古屋市)からの生中継を待ちわびていた。

 中継が始まると、モニターには科学館のスタッフが施設を案内する様子が映し出された。げんきのまどの会場にはモニターや通信ネットワーク、マイクなどが設置され、テレビ会議のように中継先と病院で双方向のコミュニケーションができるようになっている。

 科学館のスタッフは画面を通じて、風力発電の仕組みを学べる展示物の紹介や風船を使った実験などを分かりやすく行った。

 中継はおよそ30分で終了。子どもたちに記念グッズを配布するなど、実際に施設を訪れた気分を味わえるよう工夫を凝らした。参加した子どもは「楽しかった。でんきの科学館に行ってみたいと思った」と喜んでいた。

 げんきのまどの中継先はでんきの科学館のほか、水族館の南知多ビーチランド(愛知県美浜町)、豊橋総合動植物公園(同豊橋市)など。各病院月1回の頻度で生中継を行っている。

 運営メンバーは約20人。今後について、ctc経営管理本部総務部渉外グループの樋口博美主任は「通信インフラを持つ事業者として、子どもたちを支援していきたい。中継先や導入先の拡大も検討している」と話していた。

 今回、中継先となったでんきの科学館は中部電力が運営する施設で1986年にオープン。年間約30万人が訪れ、電気や環境、エネルギーについて学べる人気スポットだ。

電気新聞2020年1月8日