「平成」から「令和」となった2019年。今年も昨年に続き、台風15号や台風19号が猛威を振るい、電力設備のレジリエンス(強靱性)を巡る議論が再燃した。国内では完全統合を果たしたJERAが新たな経営体制でスタート。競争環境が厳しくなる一方で、ベースロード市場などの取引も始まった。一方、今年は原子力の再稼働は「ゼロ」となったほか、特定重大事故等対処施設の設置期限に間に合わないプラントの稼働は認められないことが決まった。6月にはG20(主要20カ国・地域)大阪サミットが開かれた。日本政府は「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(長期戦略)で、今世紀後半のできるだけ早期に「温室効果ガス排出量実質ゼロ」を実現するとしたが、その道筋は見えない。

 

◆石狩湾新港1号が運開

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 北海道電力の石狩湾新港発電所1号機が2月27日、営業運転を開始した。同社初のLNG(液化天然ガス)火力。また日本海に面する火力としても同社初となる(北海道小樽市)

 

◆JERA新体制

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 JERAは4月1日、東京電力フュエル&パワー(東電F&P)と中部電力から既存火力発電所事業などを承継し、統合が全て完了するとともに経営体制を刷新した。会長に佐野敏弘氏、社長に小野田聡氏が就任した。写真は、社員に対し着任のあいさつを行う小野田社長(4月1日、東京都中央区)

 

◆平成から令和へ

 5月1日、天皇陛下が即位された。雅子さまは皇后となられた。元号は約30年続いた「平成」から「令和」へと変わり、新たな時代が始まった。写真は同日、即位に関連する儀式に臨まれた後、皇居を出られる天皇陛下(東京都千代田区)

 

◆大阪首脳宣言

議長国として日程を終え、会見する安倍首相(29日、大阪・住之江区)

 6月には大阪市内でG20(主要20カ国・地域)サミットが開催され、「大阪首脳宣言」が採択された。「3E+Sを実現するエネルギー転換の重要性を認識する」を盛り込み、エネルギーシステムの転換について経済性や安全性、環境性などの両立を重視していく姿勢を確認した。写真は、議長国としての日程を終え、会見する安倍晋三首相(6月29日、大阪市住之江区)

 

◆東京2020まで1年

野球に関連したゲームができるJXTGエネルギーのブース(24日、東京・丸の内)

 2020年の東京五輪・パラリンピックまで1年となった19年の夏。大会の開催地域を中心に各所ではセレモニーや競技を体験するイベントが開催され、本番を待ち望む市民らの熱気に包まれた。大会会場の一つである東京国際フォーラムでは、JXTGエネルギーが野球競技を体験できるブースを出展した(7月24日、東京・丸の内)

 

◆福島第二、全基廃炉を決定

内堀知事(中央)と会談する小早川社長(右から2人目)ら(31日、福島県庁)

 東京電力ホールディングス(HD)は7月31日に開いた取締役会で、福島第二原子力発電所1~4号機の全基廃炉を正式決定した。小早川智明社長(右から2人目)が同日、福島県庁で内堀雅雄知事(中央)に報告。福島県内に建設された全ての原子炉が廃炉になる

 

◆送電鉄塔2基が倒壊

 台風15号による影響で、千葉県君津市にある送電鉄塔が2基倒壊した。東京電力パワーグリッド(PG)と協力企業は、台風が千葉県に上陸した翌日の10日夕までに応急復旧を完了。周辺のさらなる広域停電を防いだ。写真は、倒れた鉄塔の基礎部分を調査する東電PGの社員(9月10日)

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