電気事業と電力デリバティブ

電力システム改革に伴って卸売の内外無差別などが進められた結果、卸電力の販売・調達において市場を通じた取引が増加している。
今後、旧一電(一般電気事業者)グループ間の大口長期相対契約の終了が見込まれることもあり、その動きはさらに加速している。それにあわせて、先渡しや先物やオプションなど電力デリバティブに注目が集まっている。
本連載では、全3回にわたり、電気事業における電力デリバティブについて考察する。
M&A業界におけるDX最前線

産業界でこれまで行われてきたM&A(企業の合併・買収)については、属人的な営業手法や長期化する成約プロセスといった構造的課題を抱えてきた。こうした状況を打破すべく、M&A業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)化が加速している。
M&A総合研究所は創業より、AI(人工知能)とデータ活用を軸とした独自のDX戦略を推進してきた。複雑なM&A仲介業務の効率化とマッチング精度の向上を両立することで、譲渡企業完全成功報酬型の料金体系を実現してきた。本稿では、当社の具体的な取り組みについて解説する。
EVは必然か―歴史と経営から読み解く

電力・エネルギー業界の皆さまにとって、電気自動車(EV)の普及は単なる環境政策の産物として映るかもしれない。
しかし、その背後には産業革命以来の歴史的必然性と現代企業が直面する構造変化がある。MobiSaviは、EVを資源として、無駄なく使い尽くし、次世代に手渡す社会づくりを目指している。
この連載では「EVによるサーキュラーエコノミー」という新たな経済モデルを描く予定だが、その前段として、なぜモビリティがEVに収束せざるを得ないのかを明らかにする。
海外エネルギーAI最前線

海外エネルギーでは全てのコア業務にAI(人工知能)を活用する「AIファースト企業」への変革が進む。AI搭載ロボットによる太陽光パネル設置自動化、原子力発電所への生成AI本格導入、AIスタートアップに2.5億米ドル出資や買収、AIエンジニア6000人育成、AI研究所200人体制などが挙げられる。
近著『エネルギー業界を変革するAX戦略』(電気書院)から、全6回で海外事例を紹介する。電力は(1)欧州前編(2)欧州後編(3)北米・中東・アジア編――の3回。
次に(4)海外石油編、エネルギーAIスタートアップは(5)北米編(6)欧州編――。初回は欧州2社を取り上げる。
CES2026リポート

ことし1月にラスベガスで開催されたCES2026では、急速に拡大する生成AI(人工知能)利用を背景にデータセンター(DC)向け冷却システムや工場などで利用するエッジ推論サーバーなど、AI関連展示が増えた。専門家によるパネルディスカッションも行われ、巨大AIDCにより電力業界が大量高品質な需要への対応に追われる姿などが語られた。本稿では大きく変化する米国のデータセンター向け電力問題をCESでのAI電力議論から分析したい。
AI時代の電力システム

生成AI(人工知能)の急拡大は、電力システムの運用面で質的変化をもたらしつつある。競争力の源泉はデータ量ではなく、それを高速かつ継続的に処理する能力へと移行している。一方で、情報処理基盤は巨大な電力消費構造の上に築かれている。AIの活用にとっては、ある程度の品質を保った電力を確保することがまさに死活問題となっている。単なる供給量ではない。本シリーズでは、この質的変化の課題を五つの視点から読み解く。
水系蓄電池の新展開

脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギー導入が拡大し、電化のさらなる伸展も見込まれている。このような状況下、蓄電池の重要性が急速に高まってきた。現在主流のリチウムイオン電池は高性能である一方、安全性や資源制約に加え、製造コストが高いといった課題が指摘されている。こうした背景のもと、水系電解質を用いた新しい蓄電池技術の研究が進められている。本稿では、水系電池の意義と開発の背景について紹介する。
国産ライチのスマート栽培技術から

四国総合研究所は、四国の主要産業である農業を活性化させるため、農産物の生産性向上や高付加価値化を可能とする農業の高度化技術(農業電化)の研究開発に取り組んでいる。農業の振興と今後の気候変動を見据え、日本で市場がわずか1%程度と希少価値が高い国産ライチに着目、試行錯誤のライチ栽培研究をスタートした。保有する独自の農業電化技術を駆使し、十数年にわたる研究の末に国産ライチスマート栽培技術の開発に成功し、ようやく社会実装の光が見えてきた。
九電ドローンサービスの挑戦と未来

国内のドローン市場は2025年度に約5000億円に達し、30年度には約1兆円規模に拡大する見込みだ。九電ドローンサービス(QDS、福岡市中央区、本田健一社長)は、電気事業で培ったドローンやロボットの最新技術とスキルやノウハウといった知見を活かし、お客さまへ安全・安心なサービスを提供することを目的に誕生した。経験豊富な操縦者が約40人在籍。数多くの最新機体を用い、非GPS環境での屋内点検サービスや屋外自動巡回サービスをはじめ多種多様なサービスを展開。九州から全国へ迅速に対応している。
環境調和型触媒の開発

火力発電所の排ガス中に含まれる窒素酸化物対策では、選択触媒還元方式による脱硝装置が主流で、長年の運用実績により高い信頼性が確立されている。一方、脱硝触媒は希少金属を多用するため高価。長期間の使用で脱硝性能が低下するため定期的な取り換えが必要で、コスト負担が大きい。性能劣化要因を把握し延命化技術が確立できれば、コストと産業廃棄物を大幅に低減できる。本稿では脱硝触媒の延命化技術として、中国電力が長年取り組んできた再生技術と低温化技術の開発について紹介する。
安定的な電源供給と次世代型地熱

エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、2012年から地熱開発事業に取り組んでいる。ただ、従来型地熱発電の発電量は後述する課題も多く、近年大幅には増加していない。24年11月には総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会において「地熱開発加速化パッケージ」が定められ、地熱フロンティアプロジェクトが始動し、次世代型地熱の開発にも取り組まれている。次世代型地熱推進官民協議会で公表された中間とりまとめを基に、次世代型地熱の現状を今後3回に分けて俯瞰(ふかん)する。






