23日から商業運転を開始した新潟東港バイオマス発電所


 東北電力は23日、事業会社に出資する新潟東港バイオマス発電所(新潟県聖籠町、5万キロワット)の建設工事が完了し、同日から商業運転を開始したと発表した。主に輸入木質ペレットを燃料とした専焼バイオマス発電所で、年間発電電力量は3億6千万キロワット時を想定。全量をFIT(固定価格買取制度)を通じ東北電力ネットワークに売電する。

 東北電力は2021年8月、インフラ開発などを手掛けるシンガポールのエクイスが設立した「新潟東港バイオマス発電合同会社」に出資した。比率はエクイスが80%、東北電力が20%で、出資額は非公表。東北電力が発電設備の設計を支援しており、商業運転開始後はO&M(運転・保守)を担う。

 発電設備には蒸気タービンで利用した蒸気をボイラーで再加熱し、もう一度タービンに送る「再熱方式」を採用。高効率発電を可能にした。燃料は主に東南アジアから輸入した木質ペレットを使用し、補助的にパームヤシ殻も活用する。年間の二酸化炭素(CO2)削減量は約16万トンを見込む。

 同社は再生可能エネルギーの新規開発で、30年以降の早期に200万キロワットを積み上げる目標を掲げる。

 持ち分出力は、11月末時点で累計約80万キロワット。専焼バイオマス発電事業では初めて出資参画し24年11月に運開した「鳥海南バイオマス発電所」に続き、今回の新潟東港バイオマス発電所が2件目となる。

電気新聞2024年12月24日