関西電力は6日、姫路第一発電所(兵庫県姫路市、LNG)の設備更新に向けて検討を開始したと発表した。現在は5号機(72万9千キロワット)と6号機(71万3千キロワット)を運用している。ともにコンバインドサイクル発電方式で、最新の高効率機を採用した新1~3号機(各65万キロワット)に置き換える計画だ。合計出力は約50万キロワット増の195万キロワットとなる。運転開始は2033年度を予定。長期脱炭素電源オークションの活用も検討する。
運転開始から30年近くたつため、安定供給や二酸化炭素(CO2)排出削減に向けて最新設備に更新する。発電効率は現状の54%から63%まで高める。発電所のCO2排出係数は1割程度減らせる見通しだ。更新費用は非公表。設備更新を行う場合は29年度にも着工する計画だ。
事業性評価の一環として、環境影響評価(アセスメント)法に基づく計画段階配慮書を6日、経済産業相に提出。兵庫県知事に意見を求めた。11日から来年1月20日まで関係行政機関や関電のホームページで更新する。
脱炭素化の取り組みが加速する中、供給力確保の対策としてLNG火力の重要性が高まっている。関電は今年、長期脱炭素電源オークションで落札された南港発電所1~3号機(大阪市、LNG、各60万キロワット)の更新を決定。従来は汽力発電方式だったが最新鋭のコンバインドサイクル発電方式を採用し、発電効率を現状の44%から63%まで高める。発電所のCO2排出係数は3割削減する。新1号機は29年度、新2、3号機は30年度の運転開始を目指す。
姫路第一発電所は、1955年に運転を開始した関電で最も歴史の長い火力発電所。73年に重油へ、87年に天然ガスへ燃料転換した。
5号機は95年4月、6号機は96年5月に運転を開始。1~4号機は2001年6月に廃止した。
電気新聞2024年12月9日
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