東京電力エナジーパートナー(EP)は30日、高圧以上の標準料金メニューを2025年4月から見直すと発表した。卸電力市場の価格変動の反映度を0%、約30%に設定したプランについて、それぞれの基本料金を値上げする一方、電力量料金の単価を引き下げる。市場価格の変動を100%反映するプランは基本料金を値下げする。負荷率が低い顧客は負担が増える可能性があるが、高負荷率の場合はいずれのプランでも安くなると試算する。

 東電EPが24年度から提供する標準メニューは卸電力市場の価格変動の反映度合いを0%、約30%、100%から選べ、これまでに合計で約1万件の顧客が加入した。25年度は反映度が0%と約30%のプランについて、基本料金を各エリアで契約電力1キロワット当たり千円程度値上げする。

 一方で省エネなどによって契約電力を抑え、効率的に電気を使った顧客がメリットを享受できるように電力量料金の単価は下げる。単価の下げ幅はエリアによって異なるが、反映度が約30%のプランを関東エリアで契約する高圧顧客の場合、1キロワット時当たり2円95銭の値下げとなる。また、約30%のプランは1カ月間の市場価格の平均値を算定する時間帯を、1種類から4種類に細分化。どの時間帯に電気を使ったかによって、料金単価が変わるようにする。電気を使う時間帯を工夫してもらう考えだ。

 反映度が100%のプランの基本料金は、関東の高圧顧客で契約電力1キロワット当たり200円、特別高圧で同300円引き下げる。電気の使用量が比較的少ない顧客も契約しやすくする。

 このほか、反映度が0%と約30%のプランでは燃料費調整単価を見直し、基準燃料価格を1キロリットル当たり5万7500円から同4万9800円に下げる。また、反映度が約30%と100%のプランについては、卸電力市場の価格変動をプラスかマイナスのどちらに織り込むかを決める基準市場価格を、1キロワット時当たり11円22銭から同12円64銭に変えるなどの見直しを実施する。

 東電EPのモデルケースによると、反映度が0%と約30%のプランでは契約電力が少ない顧客の負担が増える。一方で契約電力が1200キロワット、月間使用電力量が54万キロワット時の高負荷率の顧客を想定すると、いずれのプランでも月間の電気料金を11万~33万円程度抑えられると試算する。

 23年度以前に提供していた標準メニューについては、26年3月末で全て廃止する。現在、旧標準メニューには特別高圧と高圧の合計で約17万件が加入しているが、新しい標準メニューへの切り替えを促していく。

 また、25年度からは東電EPが進出する関東エリア外でも3種類の標準メニューを選べるようにする。反映度が0%のプランについては、必要な契約期間を2年から1年に変更し、多くの顧客を呼び込む考えだ。

 今回の料金は柏崎刈羽原子力発電所1基の稼働を仮置きした。東電EPが23年に規制料金を改定した際は6、7号機の稼働を織り込んだが、今回は足元の状況を踏まえた。

電気新聞2024年10月1日