◆エネ供給拠点に産業集積
政府は27日、官邸でGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議を開き、GX2040ビジョンの策定に向けて検討のたたき台を提示した。デジタル化による電力需要増に対応するため、原子力発電や火力発電といった大型電源の投資環境を整備する必要性を説いた。脱炭素電源周辺に産業を集積させるため、電力系統と通信基盤の一体的な開発計画を官民連携で検討する方針を掲げた。(2面に関連記事)
たたき台で論点を整理し、年末に向けてGXビジョンの検討を加速する。原子力の再稼働や新型革新炉の設置、火力の脱炭素化には大規模投資が必要だが、収入や費用の変動リスクが大きくなっているため、事業環境を整備して予見可能性を高める。電力需要増の要因となるデータセンター(DC)の効率改善を促す対応も進める。
脱炭素への移行期に火力発電が必要と明記した。LNG燃料は長期契約比率が低下傾向のため、官民一体となり購買力を高めて確保する。石炭火力は徐々に減らしていくが、安定供給を確保するため、予備電源制度で維持していく。
脱炭素電源や水素といったクリーンエネルギー供給拠点に産業立地を集中させる。企業間連携も念頭に、広域単位での産業立地施策が求められるとした。官民で「次世代型電力・通信一体開発計画」の検討を進める。
環境価値は高いがコストが割高なGX製品の市場創出を目指す。水素と化石燃料の価格差を支援する。GX価値の見える化やGX製品調達の動機付けを議論する。
排出量取引制度の本格稼働に向けて、経済産業省を事務局とした「GX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループ」を9月3日に立ち上げる。制度設計の論点を整理する。
電気新聞2024年8月28日
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