ウインドチャレンジャーを搭載したKUROTAKISAN MARUⅢのイメージ図

 Jパワー(電源開発)と商船三井は24日、燃料輸送船「KUROTAKISAN MARUIII(黒滝山丸III)」に硬翼帆式風力推進装置「ウインドチャレンジャー」を搭載すると発表した。伸縮可能な大型帆で洋上の風力エネルギーを推進力へと変換し、燃料である重油の消費量を約5~8%削減する。既存船を改造してウインドチャレンジャーを搭載するのは初めて。2025年後半の搭載を予定している。

 ウインドチャレンジャーは繊維強化プラスチック(FRP)製の帆で、高さは約52メートル、幅は約15メートルになる。風向きに合わせて帆の向きを変えられるほか、橋の下などを通過する際には帆を高さ約27メートルまで小さくできる。黒滝山丸IIIは21年12月に竣工し、全国の石炭火力発電所に石炭を輸送してきた。

 Jパワーの燃料輸送船に風力推進装置を搭載するのが決まるのは3隻目になる。「YODOHIME(よどひめ)」には、円筒型の風力推進装置「ローターセイル」、「コロナ・シトラス」には、たこ(カイト)型風力推進装置「シーウイング」を搭載する予定だ。

 商船三井のウインドチャレンジャーの搭載が決まるのは3隻目。東北電力の燃料輸送船「松風丸」にも搭載されている。商船三井はウインドチャレンジャー搭載船を30年までに25隻、35年までに80隻投入することを計画している。

電気新聞2024年5月27日