JERAは、国内外での再生可能エネルギー開発を2035年度までに累計2千万キロワットとする新目標を掲げた。15日に発表した。19年4月の完全統合時に定めた「25年度までに500万キロワット」の達成が射程圏に入ったため、野心的な目標水準に引き上げた。4月1日に営業を始めた英国・ロンドンの新たな再エネ子会社「JERAネックス」を通じ、洋上風力を中心とした案件形成を加速する。

 JERAの再エネ開発出力は、3月31日時点でおよそ340万キロワット。これに事業権獲得済みの案件を加えると、500万キロワット到達が見えてくる。これとは別に、事業化の可能性を視野に入れる案件は1千万キロワットを超えており、35年度までの中期を見据えた野心的な新目標を設定した。洋上風力を中心に、陸上風力や太陽光、蓄電池など、中東・アフリカを含む世界の再エネ案件に投資する。

 開発目標だけでなく、JERAの再エネ投資・建設、発電所の運営・管理機能も4月1日をもって衣替えした。これまでは、ロンドンの再エネ子会社「JERAグリーン」に、米国、インドなどの事業を集約し、世界トップクラスの事業体を目指すこととしていたが、同社を解消。新たに100%子会社のJERAネックスをロンドンに設立し、経営陣を一新するなどした。

 JERAネックスのCEO(最高経営責任者)は、JERAの再エネ事業を担当するナタリー・オースターリンク執行役員が兼務する。JERAネックスの人員は、パークウインド社員を含め現状160人程度で、将来的に300人体制に増強する。合わせて、JERAの再エネ機能を本社からロンドンに完全移管するなどの検討も進める方針だ。

電気新聞2024年4月16日