経済産業省は19日に開いた有識者会合で、電気主任技術者の業務効率化に向けて、高圧受電する設備、機器の点検頻度を条件付きで延ばす方針を示した。既にビル、商業施設などにある低圧設備は、絶縁監視装置などの設置を条件に、月に1度の点検頻度を3カ月に1度にすることを認めている。これに加え、高圧受電するキュービクル内の遮断機、変圧器といった設備も現行は月に1度の点検頻度だが、電流値の監視などを条件に3カ月に1度の点検にする方針。

 19日に開いた産業構造審議会(経産相の諮問機関)電力安全小委員会の電気保安制度ワーキンググループ(WG、座長=渡邉信公・職業能力開発総合大学校名誉教授)で提示した。

 経産省は電気主任技術者の将来的な不足を見越し、デジタル技術を活用した点検業務の効率化策などを検討してきた。その一環として、設備支障が起こりにくい状態を維持することを前提に、高圧受電の設備の点検頻度を延ばす。

 会合では具体的な点検頻度延伸の条件として、経産省から確認を受けた「設備更新計画」に従った設備の更新、変圧器2次側の電流値監視などと提示。電流値で設備の過負荷状態をオンラインで把握し、異常の早期発見につなげる。委員から了承されたため、今後は点検頻度延伸に関する特認制度の設定に向けた技術的検討に入る。

 会合では、保安人材の早期戦力化に関する措置も議論。電気主任技術者が外部から仕事を受託するのに必要となる実務経験年数は通常5年だが、点検の知識を学ぶ「保安管理業務講習」と実技メインの拡充版講習を修了すれば実務経験を2年にする方針。2024年度にも始める拡充版講習については、太陽光発電パネルと架台の点検などを講習に盛り込む考えを示した。

電気新聞2024年3月21日