8回目の開催となる廃炉創造ロボコン(主催=日本原子力研究開発機構、廃止措置人材育成高専等連携協議会)が2023年12月23日、福島県楢葉町の楢葉遠隔技術開発センターで開催された。東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業をテーマに、全国の高等専門学校生が課題と解決策を考え、ロボットを製作する本大会。同発電所の視察やサマースクールを経て、同日、参加チームが一堂に会して競い合った。今回は海外からマレーシア工科大学1チームも迎え、計14校から17チームが参加した。競技の結果、小山高専が最優秀賞の文部科学大臣賞を受賞し、3連覇を果たした。
競技内容は21、22年大会と同じく、高放射線量エリアの除染。今回は所定の場所で除染作業を行った後、帰ってくるまでが課題となった。下図のように、障害物が置かれた経路を進み、高さ2.7メートルの壁面上部を除染する。除染作業は模造紙を塗りつぶすことで再現、選手たちは左上の青色パーティションで囲まれたオペレーションエリアから遠隔操作する。
本大会の様子は以下の動画サイトに公開されている。
https://www.youtube.com/watch?v=lF3W-7JMBfA
【最優秀賞に小山高専】
審査の結果「最も性能が安定しており、実際の現場での適応性を考慮していた」と評価された小山高専が最優秀賞に選ばれた。写真右は競技で塗った模造紙が置かれている。課題の完遂能力に加え、ケーブル巻き取り用の子機を作成したり、除染機構を振動させたりするなど、実現場を想像して機能を高めた。