NTTは20日、エネルギーや脱炭素関連のグリーントランスフォーメーション(GX)事業規模を2030年度に1兆円超まで拡大する目標を発表した。再エネ発電所をデータで管理し、収支把握や保守業務効率化を支援するサービスの提供を開始した。再エネや蓄電、需要を束ねるアグリゲーション事業も推進していく。商材のさらなる拡充に向けて、人員増強や協業先の拡大を目指す。

 NTTグループでは再エネ事業のNTTアノードエナジーだけで6千億円の売り上げがある。グループ10社のGX商材は現時点で46点あり、さらに増やす。グループ共通のGXブランド「NTT G×Inno(NTTジーノ)」を立ち上げた。GXとイノベーションを組み合わせた造語だ。

 同日から、エヌ・ティ・ティ・コムウェアが再エネ発電所管理サービス「グリーン発電事業統合プラットフォーム」の販売を始めた。日本は国土が狭く小規模再エネの普及が見込まれるため、多くの発電所を運営管理する必要に迫られる。発電所の収支や設備状態を効率的に管理し、業務量を70%削減する。経営指標を見える化するダッシュボードも備える。25年度末に約5社に納入を目指す。

 NTTアノードは、アグリゲーション事業用の基盤構築を始めたと発表した。アグリゲーションコーディネーターの立場で再エネ電力を購入し、発電事業者の収益安定化に貢献する。発電量予測精度を高めるため人工知能(AI)を活用した予測エンジンの開発に着手した。調整できる規模を拡大するため商社や電力会社などとの連携を目指す。

電気新聞2023年12月21日