新規認定者に辞令を手渡す小早川社長(左)

 東京電力ホールディングス(HD)は、高度な専門性を生かして顕著な成果を上げている「スペシャリスト」として、新たに5人の認定を決めた。東京・内幸町の本社で27日に開いた認定式で小早川智明社長は「パフォーマンスを最大限に発揮し、国内外でもトップランナーになるよう挑戦を続けて当社の事業をさらに牽引してほしい」と要請。後進の指導、育成への協力も求めた。

 発令は12月1日。5人が加わり、スペシャリストは総勢70人となる。

 認定式には佐伯光司副社長も出席。小早川社長が新規認定者5人に辞令を手渡した。

 その後のあいさつで小早川社長は「スペシャリストの皆さんは、当社が誇る貴重な財産」と強調。立場を超えて最善を尽くし、これまでの常識にとらわれない事業の創出に取り組むことが不可欠との見方も示し、「皆さんには自身の領域に限らず、東京電力グループ大で活躍することを期待する」と述べた。

 新規認定者のうち、放射化学分析管理を専門とし、福島第一原子力発電所の廃炉向け業務でも活躍する實重宏明氏がA区分となる。S~B区分の3段階のうち、上から2番目がA区分。残り4人は3番目のB区分となる。配電機材に関する高度保全・設備診断技術を専門とする二川和弘氏は、配電部門で初めてスペシャリストに選ばれた。

 認定式の後に實重氏は「放射化学分析技術は海外からも非常に関心が高いほか、運転プラントにも当然適用できるので、当社の他サイト、国内の他電力のプラントにも展開できるよう、そのノウハウをしっかりと形式知としてまとめていく」と抱負を話していた。

 他の新規認定者は以下の通り。(カッコ内は認定内容。敬称略)

 ▽西村貢(特許権利化、侵害対応、特許調査)▽稲垣宏和(原子力地点液状化評価技術)▽太田文彦(直流送電システムの解析および設計技術)

電気新聞2023年11月28日