関西電力は6日、2025年度から定年を65歳まで段階的に引き上げると発表した。少子高齢化による人手不足といった課題への対応や多様な人材の活躍を促すため定年延長のほか、ライフサイクル手当の刷新や60歳以上の社員を対象に週休3日制を導入するなど評価・報酬体系を見直す。25年4月から2年おきに定年を1歳延ばし、33年度から65歳に移行する。1969年4月生まれ以降は最長65歳まで正社員として働ける。

 関西電力送配電の社員も定年延長の対象となる。関電子会社については現時点で確定していないが、関電と同じタイミングでの適用に向けて各社の労働組合が交渉するとみられる。

 関電は定年延長に加え、扶養手当などの「ライフサイクル手当」を25年度に刷新。若年層や子育て世帯への支援をより厚くする。60歳以上の社員を対象に週休3日制の導入や経営課題の解決など個別プロジェクトの責任者を社内公募で登用するなど、新たな制度も25年度から始める。

 関電は現状60歳で定年退職した後は「eスタッフ」として再雇用することで65歳までの就労機会を確保している。定年引き上げで60歳を超えると処遇の見直しが生じるが、賃金はこれまでの再雇用より上昇する見込みという。

電気新聞2023年12月7日