◆26年市場投入目指す

 関西電力は7日、空飛ぶクルマの充電インフラ事業に参入すると発表した。2023年度内にスカイドライブ(愛知県豊田市、福澤知浩社長)の飛行試験場へプラグイン型の充電設備を設置。25年に開催する大阪・関西万博での使用に向けた実証実験を進め、26年の市場投入を目指す。7日には国内外からの受注受け付けを開始した。

 急速充電時は機体に搭載したバッテリーが発熱するため、充電設備にバッテリー冷却装置を備える。短い間隔で飛行を繰り返し、地上での待機時間を短縮。充電ポートの稼働率を上げて収益性を高める。

 スカイドライブは大阪・関西万博会場周辺での運航を目指し、機体開発を進めている。万博後は26年に型式証明を取得して、機体の量産を開始する予定だ。関電とはエネルギーマネジメント技術を用いた新たなサービスを立ち上げるため、22年9月に資本業務提携を締結。充電方式の開発や運行効率化に関する研究を行ってきた。関電が開発する充電設備はスカイドライブ以外の機体にも対応できる仕様・設計としている。

 米モルガン・スタンレーは、ポートや充電設備を含めた空飛ぶクルマの市場規模が40年に1兆ドル(約150兆円)規模に達すると試算する。

 空飛ぶクルマは大阪・関西万博で先端技術を実証・実装する「未来社会ショーケース」の目玉事業の一つ。運行事業者にANAホールディングス、日本航空、丸紅、スカイドライブなど5社を選定している。

電気新聞2023年10月8日