◆低圧も事前周知を

 経済産業省・資源エネルギー庁は30日、FIT(固定価格買取制度)、FIP(フィード・イン・プレミアム)の認定を受けようとしている再生可能エネルギー発電事業者が、事前に住民説明会を開催すべき事業の規模や説明事項、対象となる住民の範囲について方向性を示した。

 5月末に成立した改正再エネ特措法で、FIT・FIP認定に当たり、説明会などの事前周知が要件となった。

 エネ庁が提示した案では、説明会を求める「大規模電源」は特別高圧(2千キロワット以上)・高圧(50キロワット以上2千キロワット未満)、説明会以外の方法で事前周知を求める「小規模電源」は低圧(50キロワット未満)とした。

 ただ、小規模電源でも災害の影響が及ぶ可能性が高かったり、住民の生活環境に近かったりするエリアは、説明会を開くべき範囲として検討する。説明会では、景観や自然、生活環境に影響がないと説明するだけでなく、そう考える理由を具体的に挙げる必要性や、有意義な質疑応答とするためのルール案を詰めていく。

 説明対象となる住民の範囲は、行政区単位や再エネ発電事業の実施場所からの距離といった客観的な基準などを設けるとした。

 改正再エネ特措法は認定事業者に対し、発電事業などの委託先への監督義務を課す。適切に監督義務が履行されているか確認するため、認定事業者から経済産業相への定期報告で委託の実態を報告させることも検討事項とした。

 これらの案は、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の「再生可能エネルギー長期電源化・地域共生ワーキンググループ」(座長=山内弘隆・一橋大学名誉教授)で示した。

電気新聞2023年7月3日