◆多様な働き方で活躍/キャリア形成へ公募

 中部電力は23日、経営ビジョンの達成に向けてまとめた「人財戦略」を発表した。会社と社員の関係が対等な「選び選ばれる関係」へ変化していることなどを踏まえ、多様な人財の自律的な成長やキャリア形成を後押しする。2025年度に300の役職について社内公募を行うほか、キャリア採用を全採用者の2割に拡大することも掲げた。社内外からエネルギー事業の枠にとらわれず成長を担う人財を確保し、企業価値を高めていく。

 同社は21年11月に策定・公表した経営ビジョンに、「人財一人一人の成長・活躍が企業価値そのもの」と明記。この考えに基づき推進する戦略を具体化した。

 戦略では、多様な人財が活躍できる環境づくりとして、安全や健康と共に柔軟な働き方を可能にする「ライフ・ワーク・バランス」を推進する。安全関連情報を一元化・共有するシステムの活用や、ウエアラブル端末による健康増進支援、育児休業制度の見直しなどを進めてきた。

 同時に、自己変革に挑戦する社員には会社から積極的に機会と支援を提供。「チャンス」「チャレンジ」「チェンジ」という3つのCに沿った施策を展開していく。

 社内公募は従来プロジェクトごとに行っていたが、22年度は通常異動型として42の役職についても実施。この募集役職を25年度に300まで拡充する。さらに、自律的なキャリア形成に向けて39の部門別に「求める人財像」を明示する。

 その上で、全社員に対するオンライン学習サービスのアカウント配布や公的資格取得時の補助制度拡充などを実施。社員自らが思い描くキャリアに応じた取り組みを支援する。

 外部人財の登用に向けては、今年4月に開始した高度な専門的知見や技術をもつ「スペシャリスト社員」の採用にとどまらず、即戦力のキャリア採用を拡大。また、一度退職した人財に社外での経験を生かして再活躍してもらう「カムバック制度」も新設した。

電気新聞2023年5月24日