国土交通省は今年度中に電力、ガス、住宅・不動産、鉄道の4分野で週休2日のモデル工事を実施する。建設業の働き方改革の一環。週休2日は国交省直轄の公共工事で導入は進んでいるが、遅れがちな民間工事にも浸透させ、技能者の長時間労働是正、休日確保につなげる。電気事業連合会は電気分野のモデル工事を選定する予定だ。

 モデル工事は1分野につき10件程度振り分けるとみられる。国交省はモデル工事を通じて発注プロセスや工期の設定・管理方法を把握するとともに、工期改善に向けた課題抽出や解決策の検討を支援。他産業の事例を含む発注プロセスなどの実態調査とあわせ、17年8月に政府が策定した「適正な工期設定等のためのガイドライン」の見直しに反映させる。

 週休2日工事は工期設定に限らず、技能者の多くが日給制であること、コスト負担の在り方など留意すべき課題は少なくない。日本建設産業職員労働組合協議会の「2017時短アンケート」によると、土木・建築工事の4週当たりの休暇日数は5.00日、4週8休の取得は8.5%にとどまる。

 4分野の業界団体(電事連、日本ガス協会、不動産協会、日本民営鉄道協会)は17年度、省庁や建設業団体と建設業の働き方改革実現に向けた協議会を構成。官民関係者との連絡会議を開き、分野ごとの業態や特性を踏まえた課題抽出、具体策の検討を行ってきた。

 国交省直轄工事では週休2日の適用が拡大している。週休2日対象工事の公告件数は16年度で824件、17年度で2546件(1月末時点)に上った。週休2日実施に伴う必要経費を的確に計上するため、公共工事の積算基準も今年度発注工事分から補正している。

電気新聞2018年5月7日