商業運転を開始した秋田港洋上風力発電所(秋田洋上風力発電提供)

 

丸紅、東北、中部、関西電力など出資

 
 丸紅、大林組、東北電力、コスモエコパワー、中部電力、関西電力などが秋田港と能代港で開発を進めてきた国内初の商業ベースの大型洋上風力発電プロジェクトが31日、全面運転に入った。各社が出資する秋田洋上風力発電(秋田市、岡垣啓司社長)の秋田港洋上風力発電所(着床式、4200キロワット×13基)が同日、商業運転を開始。先行して運開した能代港洋上風力発電所(同、4200キロワット×20基)と合わせた計33基が全面的に運転を開始した。

 FIT(固定価格買取制度)を利用し、東北電力ネットワークに1キロワット時当たり36円で20年間売電する。

 秋田港の港湾区域に建設した。着工は20年2月。22年9月までに風車設置を完了し、試運転や検査を行ってきた。並行して建設した能代港洋上風力発電所を合わせた出力は約14万キロワット。各社の持ち分比率は非公表としている。

 両発電所はデンマークのべスタス製風車を採用し、風車本体の保守はべスタス日本法人が担う。風車基礎部分、海底送電ケーブル、陸上の送変電設備の保守は丸紅子会社の丸紅洋上風力開発が行う。

 秋田港と能代港における洋上風力発電事業は、秋田県が県内の再生可能エネルギー導入拡大と産業振興を目的に事業者を募集した。その後、事業者として選ばれた丸紅が秋田洋上風力発電を設立。各社が出資参画して開発可能性調査を実施し、事業化に至った。

電気新聞2023年2月1日