開発する大型アンモニア運搬船のイメージ(日本郵船提供)

 JERAは21日、大型アンモニア輸送船の開発などについて、日本郵船、商船三井とそれぞれ覚書を締結したと発表した。JERAが碧南火力発電所4号機(石炭、100万キロワット)で、2027年度から本格運用を目指すアンモニアの20%混焼に向けて開発。肥料用などのアンモニア運搬船は2.5万~4.5万立方メートルが主流だが、開発する船は8.6万~9.1万立方メートルを想定しており、最大で12万~13万立方メートルになる可能性もある。

 大型アンモニア輸送船の開発は世界初。発電燃料となる大量のアンモニアを低廉な価格で調達するため、輸送船舶の大型化が必要になる。8.6万~9.1万立方メートルの輸送船の建造費用は、1隻当たり約9500万ドル(約130億円)が目安になる。

 同日付で締結した覚書では、燃料アンモニア輸送・受け入れ体制の構築を明記。漏出防止など航行の安全性を構築し、荷役の操作を確立する。アンモニアを船舶燃料とした運搬船の開発にも取り組むほか、燃料アンモニアの受け入れに関するルール形成に向けた関係機関への働き掛けを行う。

 JERAは碧南火力でアンモニア混焼の実証を進めており、タンクや気化器を新設。調達では国際入札を実施しており、アンモニア輸送方法を確立すると、碧南火力向けの上流から発電までのサプライチェーンが構築できる。

電気新聞2022年11月22日