野心的水準、エネ庁が目標示す

 
 経済産業省・資源エネルギー庁は22日、自動車製造業で使用される電気について、2030年度の非化石割合目標を59%とする方針を示した。改正省エネ法に基づく措置。第6次エネルギー基本計画で掲げた電源構成での非化石電源比率を、需要側でも目指す。現状、自動車製造業が購入した電気に占める非化石エネルギーの割合は約27%にとどまっており、59%は野心的水準となる。

 同日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)工場等判断基準ワーキンググループ(WG、座長=佐々木信也・東京理科大学教授)で示した。来年4月1日の改正省エネ法施行へ、12月に予定される次回WGで正式に取りまとめる予定。

 6月に成立した改正省エネ法は非化石エネルギーへの転換の促進を一つの柱とした。工場などで使用するエネルギーについて、非化石エネルギーの使用割合の向上を求める。加えて、一定規模以上の事業者に対し、非化石エネルギーへの転換に関する中長期的計画の作成を求める内容だ。

 制度開始に当たり、鉄鋼業、化学工業、セメント製造業、製紙業、自動車製造業のエネルギー多消費産業は、非化石エネルギー使用割合の目安を定めることがこれまでのWGで決まっていた。目安は各業種のエネルギー使用実態を踏まえ決める。

 自動車製造業は、エネルギー使用量全体のうち、電気が約60%を占めるため、電力の非化石転換を目標とした。外部調達分と自家発分を合わせて非化石比率59%を目指す。

 オブザーバーでWGに参加した日本自動車工業会の松橋秀史・工場環境政策分科会長は、目標達成状況の評価について、自工会まででとどめ、トヨタ自動車など個社への達成状況のフォローは行わないよう要望。業界大での目標達成を志向する方針を示唆した。

電気新聞2022年11月24日