ノーリツが発売する三菱電機製の小型業務用エコキュート

 ガス給湯器大手のノーリツが、業務用エコキュート市場に参入する。29日、店舗や事務所など向けに、小型業務用エコキュートを10月3日に発売すると発表した。ガス給湯器と併用することで「湯切れ」を防げるシステムを強みに販売を伸ばす計画。ガス給湯器事業で培った販売網を生かし、脱炭素の動きとともに企業などに広がる電化ニーズを取り込む。

 エコキュートは三菱電機から供給を受け、販売する。出湯温度などが異なる3機種をそろえる。価格は、税込み108万9千~144万1千円。加熱能力は7.2キロワット、タンク容量は550リットル、連結台数は4台でそれぞれ共通。まず年間200台の販売を目指す。

 エコキュートと同日に、ノーリツのガス給湯器との併用運転を可能にする制御ボックス(同8万2500円)も発売する。タンク内の湯切れを制御ボックスが検知し、自動でガス給湯器に運転を切り替えることで、湯切れによる業務の停止などを防ぐ。

 業務用のエコキュートは使用する湯量が曜日や季節によって変動しやすく、湯切れがユーザーの大きな不安要素となっていた。複数エコキュートの連結設置のみによる対策も、コストを大きく増加させてしまう。

 ノーリツは、こうした課題をユーザーが気にすることなく営業を継続できる「ハイブリッド給湯システム」として、エコキュートと制御ボックスをセットで訴求する。

 ノーリツは国内で製造・販売する製品が排出する二酸化炭素(CO2)を、2030年までに18年度比で3割削減する目標を掲げる。省エネルギー性に優れるエコキュートを製品ラインアップに加えることで、目標達成に向けたスピードを上げていきたい考えだ。

電気新聞2022年8月1日