4日に運開したジャクソン発電所

 

水素混焼も視野に

 
 Jパワー(電源開発)は6日、米国で単独の開発を進めていたジャクソン発電所(ガスコンバインドサイクル、計120万キロワット)が4日に商業運転を開始したと発表した。持ち分出力は同社の海外発電事業で最大。熱効率は54.4%(送電端、高位発熱量基準)で、米北東部の独立系統運用者(ISO)であるPJMの市場で売電する。導入したガスタービンは改造を加えることで30%までの水素混焼発電が可能。Jパワーは水素利用の検討も進めていく予定だ。

 米国現地法人のJパワーUSAを通じて開発した。イリノイ州シカゴ市街地の南西70キロメートルに出力60万キロワットの設備を2基整備。2019年6月に着工し、運開にこぎ着けた。発電電力はPJM市場を介して供給する。大需要地であるシカゴなども含まれる。

 三菱重工業系の米国法人から購入した強制空冷式ガスタービン2基などを導入した。2基は簡易な改造を施すことで水素の利用が可能な設計とした。Jパワーは水素混焼発電の実現を見据えた検討も行う。

 ジャクソンはPJM市場向けの電力販売を目的とした発電所。Jパワーは米国で計12件の発電事業を手掛け、ジャクソンを含む5件がPJM市場向け。過去4件でPJM市場に関する知見を蓄え、ジャクソンの単独開発に踏み切った。

 Jパワーは23年度までの中期経営計画で「海外での事業基盤の拡大」を目標に掲げる。今年4月に同社が25%出資する英国のトライトン・ノール洋上風力発電所(85万7千キロワット)が商業運転を開始。米国で太陽光発電所の開発などを行うほか、オーストラリアなどでも再生可能エネルギー電源の開発に取り組む。

電気新聞2022年5月9日