JERAは27日、蓄電池の利活用に取り組む事業者らとともに「神戸関西圏電池リユース・リサイクル協議会」を設立したと発表した。蓄電池の資源循環について意見交換などを行うプラットホームを構築し、関係者間のつながりを強める。JERAとトヨタ自動車が幹事を務め、実証事業や政策提言などに取り組む。

 神戸市の呼び掛けを受け、電力会社やメーカー、研究機関、商社など25者で設立。具体的には、関西電力、三菱電機、三菱商事、NTTアノードエナジー、GSユアサ、日本政策投資銀行などが参加した。

 参加者は、蓄電池の系統連系評価やリサイクル技術などの実証事業を推進。カーボンフリー電源や水素燃料電池などと組み合わせ、エネルギーマネジメントを高度化して電池需要の創出を目指す。

 JERAは2018年から、再生可能エネルギーの導入拡大などを目的に、電動車電池のリユース・リサイクル実証事業に取り組んでいる。リユースではトヨタと共同で、大容量蓄電システムの構築を目指している。

 これまで、電動車から回収したニッケル水素電池とリチウムイオン電池について、電力用の蓄電池として活用できることを確認。21年度は神戸市内で、両電池を組み合わせた実証試験を行っており、22年度以降は構築した蓄電システムを実際の電力系統に接続して検証する。

 リサイクルでは、柴田科学(東京都台東区、柴田眞利社長)と共同で、従来の焙焼法ではない非焙焼リサイクル技術を開発し特許を出願中。非焙焼法は二酸化炭素(CO2)を排出しないだけではなく、レアメタルの回収率向上を目指す。コバルト回収率は焙焼法で65%ほどだが、非焙焼法では95%以上を目標にしている。

電気新聞2021年12月28日