発電所完成後のイメージ図

 中部電力、JFEエンジニアリング、東邦ガス、東京センチュリーの4社は27日、愛知県田原市で国内最大級となる出力11万2千キロワットの木質バイオマス専焼発電所の事業化を行うと発表した。JFEエンジが昨年12月に設立した事業会社「田原バイオマスパワー合同会社」に中部電力などが出資することで合意。2025年9月の運転開始を目指す。

 木質バイオマス専焼発電所は田原市緑が浜の三河湾に面したエリアに建設する。敷地面積は約6万5千平方メートル。22年6月に本工事を開始し、25年9月の運開を見込んでいる。燃料は木質ペレットを使用し、ベトナム、米国から調達する予定だ。

 想定する年間発電電力量は一般家庭約25万世帯分に相当する約7億7千万キロワット時で、発電した電力はFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を活用して全量中部電力パワーグリッド(PG)に売電する。運開後の二酸化炭素(CO2)削減量は年約34万トンを見込む。

 田原バイオマスパワーは27日、みずほ銀行と日本政策投資銀行をアレンジャーとするプロジェクトファイナンスによる融資契約を締結した。中部電力など新たに3社が加わることで、田原バイオマスパワーの資本構成は中部電力、JFEエンジ各40%、東邦ガス、東京センチュリー各10%となる。事業の中で中部電力は燃料調達、JFEエンジは発電所建設の施工管理や運転開始後の運営業務、東邦ガスは燃料受け入れの調整と管理、東京センチュリーは経理・財務をそれぞれ担う。

 中部電力は再生可能エネルギーの開発目標として「30年頃に200万キロワット以上」を掲げ、その一環として木質バイオマス専焼発電所の建設を推進している。

電気新聞2021年10月28日