大阪ガスは16日、アンモニア燃料用小型エンジンシステムの技術開発と実証を開始したと発表した。4月に採択された環境省の委託事業として、豊田自動織機と共同で取り組む。大ガスはアンモニアを燃料としたエンジンの技術開発や、エンジンシステムの性能実証、実機への搭載による運転実証を行う。アンモニアのみを燃料とする小型エンジンシステムの実証は世界初という。将来的にはコージェネレーションへの適用も視野に入れる。開発・実証期間は2022年度末まで。
アンモニアは、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を出さず、化石燃料の代替として注目される一方、エンジンの燃料としては燃焼性が低いといった課題がある。今回開発するシステムでは、アンモニアの一部を触媒で空気と反応させ水素に改質する。燃焼性の高い水素とアンモニアを混合させ燃料として使用することで、エンジン内で安定して燃焼できる。
この事業で技術開発代表事業者を務める豊田自動織機は、事業全体を取りまとめるとともに、触媒システムの開発やエンジンの設計を担当する。
大ガスは、コージェネレーションシステムやGHP(ガスヒートポンプエアコン)向けの開発を通じて蓄積したエンジン燃焼に関する技術を生かし、エンジンの熱効率改善や、エンジンシステムの評価・解析を行う。将来的にはコージェネレーションシステムや、エンジンを動力とする機器などへの活用も視野に入れる。
電気新聞2021年7月19日
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