鹿島と東京ガスは7日、産業用ボイラーなどで発生する二酸化炭素(CO2)を材料にするコンクリート製造技術を共同開発すると発表した。1立方メートルのコンクリートブロックを製造する際に300キログラムのCO2を利用するレベルを目指す。都市ガスを燃料とするする産業用ボイラーなどが排出するCO2を利用したコンクリート製造技術が誕生すれば世界で初めてとなる。

 共同開発にあたり東京ガス千住テクノステーションでCO2を材料とするコンクリートを試験的に製造した。都市ガスの排ガスに含まれるCO2を吸収し固定化できることを確認。試験製造したコンクリートブロックを東京ガス日立LNG基地の外構工事に採用した。

 今回の技術開発は、鹿島が保有するCO2を吸収するコンクリート「CO2スイコム」の技術を応用する。通常のコンクリートはセメントと水が反応して固まるものの、CO2スイコムはセメントの半分以上を化学工場の産業副産物を原料にした混和剤を用いる。そのためCO2を吸収しながらコンクリートが固まる。

 両社は今後、本格的な商品化に向けCO2吸収量を更に増加させる技術開発も進めていく。太陽光発電設備の基礎ブロックなどに「CO2スイコム」の技術を活用していくことで、CO2削減や脱炭素社会の実現に貢献する。

電気新聞2021年7月8日