関西電力と関西電力送配電は31日、ドローン離発着場の機能などを搭載する「スマートポール」の実証実験を実施すると発表した。2025年大阪・関西万博の実施主体などによる公募事業の一環。万博会場予定地で先端部に非接触充電ドローンへの充電機能を備えたポールを設置し、運用を検証。ドローンと人工知能(AI)画像認証を組み合わせた迷子捜索などの実用化に挑む。実証成果を踏まえ万博本番での採用や社会実装を目指す。

 関電などが実証するポールには街路灯、Wi―Fi基地局、防犯カメラなどを搭載する。万博予定地の大阪市夢洲に、11月までに3本の試作ポールを設置。電気は太陽光発電から蓄電池にためられた電気を地中線で結んで各柱に供給する。停電時も点灯や通信を継続しつつスマートフォン充電用の電気を提供し、防災にも貢献する。

 ドローン充電には実証に参加するダイヘンの電気自動車(EV)の非接触充電技術を応用する。また関電グループのエネゲートが各種機能を開発。そのうちAIとドローンによる迷子捜索は(1)保護者が迷子の情報をスマホに入力(2)会場各所の防犯カメラ映像をAIで解析し迷子の場所を特定(3)ドローンが迷子の位置へ飛行し、保護者到着まで見守る――といった機能を想定する。ポールの製作、設置などは日本ネットワークサポートが担う。

 2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所の公募はこのほか、大阪大学レーザー科学研究所がドローンを活用し、レーザーによる映像を空中のスクリーンに映す実証を採択。大阪メトロが万博アクセス交通の非接触充電などの検証をテストコースで行う実証も採択された。関電はこれらにも参画する。

電気新聞2021年6月1日