会見する菅首相(4日、首相官邸)

 菅義偉首相は4日、臨時国会の閉会に当たって開いた会見で、水素や蓄電池などの革新的技術開発を支援する2兆円の基金を経済対策で創設すると表明した。政府が掲げる「環境と経済の好循環」を達成するため、過去に例のない規模の基金を設け、野心的イノベーションに挑戦する企業を今後10年間支える。菅首相は所信表明演説で宣言した2050年カーボンニュートラルについて、「我が国が世界の流れに追いつき、一歩先んじるためにどうしても実現しなければならない目標」と強調した。

 菅首相は個別技術として水素を挙げ、「新たな電源として位置付け、大規模で低コストな製造装置を実現する」と説明したほか、「水素飛行機や水素の運搬船も開発する」と意気込んだ。また、電化拡大に向け「どうしても必要なのが蓄電池」と強調。低コスト化に向け、今回創設する基金などを通じ企業を支援する意向を示した。

 この他、電動車にも触れ、「最大限導入するための制度や規制を構築する」と述べた。

電気新聞2020年12月7日