内閣府は、新型コロナウイルスなど感染症流行下での原子力災害時に行う防護措置について、具体的な対応をまとめたガイドラインを11月2日に公表した。避難所や避難用バスなどでは放射性物質の動向を見ながら、30分に1回程度の換気を求めるなど、感染症拡大を防ぐためのポイントを明確に記した。2日に関係道府県へ通知しており、各自治体の避難計画に反映される見通し。

 全般的な対応として避難時のマスク着用など、必要な感染症対策をあらかじめ住民に周知するよう要請。防災業務担当者にも個人用防護具の装着や手指の消毒の徹底を促した。

 避難所やバスなどでは、被ばく防止の観点から基本的に換気はしないとした。ただ、放射性物質の動向によっては、30分に1回程度は窓を全開にするなど換気に努めるよう求めた。この他、健康状態確認の手順や避難所で必要な装備、バス座席のレイアウトなども例示した。

 内閣府は今年6月に感染症流行下での防護対策について基本方針を作成し、関係道府県に通知した。一方で各自治体が感染症対策の検討を本格化する中で、国が必要な対策を明確に示すよう求める声も高まっていた。

 作成では感染症の専門家や原子力規制庁、内閣府(防災担当)、厚生労働省、国土交通省の助言も得た。今後も状況を見ながら随時見直す方針だ。

電気新聞2020年11月5日