共同開発するFCトラックのイメージ

 トヨタ自動車と日野自動車は6日、北米向けの燃料電池(FC)トラックを共同開発すると発表した。日野自動車が北米で販売するトラックのシャシー(車の土台部)をベースに、トヨタの燃料電池技術を組み合わせる。2021年前半に試作車両を開発し、性能を評価。課題も洗い出す。走行性や航続距離で実用的なFCトラックを開発し、二酸化炭素(CO2)排出削減の機運が高まる北米で売り込む。

 開発は、トヨタと日野自動車のそれぞれの米国子会社が手掛ける。日野自動車の15トントラック「HINO XLシリーズ」がベースとなる。

 燃料補給1回当たりの航続距離の目標値や市場投入時期は公表していないが、車体の耐久性などを重視して開発する。

 トヨタと日野自動車は、3月に日本向けFCトラックの共同開発で合意していた。日野の大型トラック「日野プロフィア」をベースにトヨタの燃料電池技術を搭載。商品化の時期は明らかにしていないが、航続距離は600キロメートルを目標としている。2社は協力関係を強化し、北米向けのFCトラックも共同開発する。

 米国ではカリフォルニア州が、2035年までに州内におけるガソリン車の新車販売を禁止する方針を打ち出している。こうした北米のCO2排出削減の動きを受けて、FCトラックの開発に力を注ぐ。

電気新聞2020年10月7日