エネルギア・ソリューション・アンド・サービス(ESS、広島市、信末一之社長)は、太陽光パネルに固着した鉄粉などの汚れを効率よく除去する洗浄方法を外部の企業と共同開発した。汚損の除去に適した薬剤を成分分析などにより選別・採用するとともに、洗浄後の薬剤回収までを行う洗浄方法を確立。自社太陽光発電所で効果を検証したところ、約30%の発電効率改善が確認できたとしている。
洗浄用の薬剤を提供したイツワ商事(大阪市、桑原豊社長)、太陽光パネルの洗浄作業を得意とするSSG(香川県綾川町、高免知己社長)との3社共同で開発した。
ESSが運用する太陽光発電所では、運転開始当初から鉄粉などの付着物が強固に固着し、パネル表面の汚れにより発電効率が低下する影響が出ていた。
3社は共同で、鉄粉の洗浄効果が大きい洗浄剤と洗浄方法を開発し、ESS発電所で作業を実施。環境中に洗浄剤を放出しない回収方法なども併せて検証した。
洗浄の結果、発電実績として約30%の出力回復を確認した。また、ドローンを使った確認作業で汚損したパネルが熱を持ち、発電効率の低下の原因となる「ホットスポット」の発生箇所も大幅に減少したことが分かったとしている。
このほか3社は、定期的なメンテナンスに使用する洗浄剤も開発した。定期的な洗浄により、発電効率の維持に取り組む。また、同じようなパネルの汚損で悩む他社の太陽光発電所向けに、開発した洗浄方法の採用を提案していく考えだ。
電気新聞2020年4月28日
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