――ロンドンのイベントを経て、今後は提携を形にするフェーズに入ります。

城口氏

◇提携実現へ道示す

城口 今回参加したスタートアップの中で、日本に来てすぐワークする会社は一つもありません。完成した製品を持つ会社でさえ、日本に持ち込むには各種認証の取得を含むローカライズが欠かせない。スタートアップと日本企業の間に立ち、そうしたギャップを埋めるのが、私たちの仕事です。日本企業と欧州スタートアップとの時間軸の違いを考慮した上で、協業の道筋を示すところまでアフターフォローを徹底したいと考えています。
門 スタートアップとの意識差を埋めるためには、私たち自身も変わり続けないといけないのだと思います。VPPのシステム一つとっても、社内で議論すると必ず「自分たちでもつくれます」という意見が出ます。もちろんそうですが、海外で似たものが売っているなら、買ってみることから始めてみたら、と社内で呼び掛けています。
自分でつくるのは良いことのようですが、つくったものを維持管理しないといけない。制度や技術が変わるたび更新が必要だとすると、機敏なスタートアップに委ねた方が合理的なこともあるはず。「この程度ならできる」という発想から踏み出せるかどうかも、スタートアップとの関係性を変えるポイントなのかもしれません。

◆キーワード「JEC」
 JECとは、エネチェンジグループのSMAPエナジーが企画・主催する日本企業と欧州スタートアップのビジネスマッチングイベント。2年目の今年は東京ガスとの共催で、約200の候補から厳選したスタートアップ19社を招いた。日本側は中部電力、サミットエナジー、出光昭和シェル、北陸電力、Looop、JXTGエネルギー、中部電力、東邦ガスが参加。3回目のイベントは2020年秋、初の日本開催を計画している。

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