チェコのドコバニ発電所(写真:CEZグループホームページより)
チェコのドコバニ発電所(写真:CEZグループホームページより)

 チェコ政府は、2036年にドコバニ原子力発電所で新規ユニットを完成させる方針を今月13日に明らかにした。同国は既存プラントの高経年化や脱炭素を踏まえ、原子力の新増設を計画していたが、完成時期の明示は初めて。併せて22年までに発注先を決定し、29年までに着工する見通しも示した。同発電所を巡っては日仏連合のほか、米、露、中、韓の陣営が関心を示しているとされ、今後、受注競争が本格化しそうだ。

 同プロジェクトでは内陸型のドコバニ原子力(VVER―440×4基、計187万キロワット)に1~2基のユニットを増設。資金調達交渉が難航していたが、7月にチェコ電力公社(CEZ)は政府が債務保証を行うことで合意した。同国政府は完成時期について、これまで35~40年と幅を持たせて言及してきたが、今回、1基を36年に完成させるとした。同国としては02年に運開したテメリン原子力発電所2号機以来。

 プラント受注については、三菱重工業とフランス電力(EDF)の合弁会社・アトメア、米ウエスチングハウス(WH)、ロシア国営原子力・ロスアトム、中国広核集団(CGN)、韓国水力原子力がそれぞれ関心を示しているといわれる。

電気新聞2019年11月19日